未経験からファッションモデルへ|元芸能モデルが教える”はじめの一歩”

未経験からファッションモデルへ|元芸能モデルが教える"はじめの一歩" モデルの始め方

「モデルになりたいけど、自分にできるのかな…」そんな不安を感じていませんか?

実は私も、ファッションモデル活動を始めた当初は不安だらけでした。「身長が足りないかも」「経験がないから無理かも」と悩んでいた日々を今でも鮮明に覚えています。でも、あの時一歩踏み出したからこそ、今の自分があると心から思います。

この記事では、元芸能事務所所属モデルで現在フリーランスライターの私が、リアルな経験を交えながら、ファッションモデルへの道のりを優しく解説していきます。未経験者の方でも安心して読み進められるよう、私自身の失敗談や成功体験も包み隠さずお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

  1. ファッションモデルとは?|仕事内容と種類を解説
    1. モデルの種類とその特徴
    2. 求められるスキルと表現力
  2. ファッションモデルの給料・報酬ってどれくらい?
    1. 単発案件とレギュラー案件の違い
    2. 初心者モデルの報酬の目安
    3. 「夢を追う」だけでは続かない現実
  3. ファッションモデルに向いている人とは?
    1. よくある誤解「顔立ちが良ければOK?」
    2. 実際に現場で求められる人物像
    3. 継続的に努力できる姿勢
    4. ライターの視点から見た「また一緒に仕事したい」と思われるモデルの特徴
  4. 未経験からファッションモデルになる方法
    1. STEP1:まずはプロフィール写真を用意する
    2. STEP2:モデル事務所への応募orフリーで始める
    3. STEP3:スカウトに頼らない、地道なオーディション参加
    4. モデル募集サイト・アプリの活用
    5. 私が初めて受けたオーディションでの失敗談
  5. 身長・体型の条件ってどれくらい必要?
    1. 一般的な基準とその実情
    2. ECサイトモデルやコマーシャルモデルは柔軟
    3. 「身長が足りない=不利」は一概に言えない理由
  6. モデル事務所に所属するメリット・デメリット
    1. 所属することで得られるサポート・案件
    2. 契約の注意点
    3. フリーで活動する道との違い
    4. 私がフリーランスを選んだ理由とリアル
  7. 実際にやってみて分かった、モデルの魅力と厳しさ
    1. 仕事で得た自信と喜び
    2. 時には体調が悪くても笑顔を求められる現場
    3. 「モデル=表現者」であることの意味
    4. 子育てとモデル業を両立するコツ
  8. 未経験でも一歩踏み出すために大切なこと
    1. 始めるのに「遅すぎる」はない
    2. 周囲の目を気にせず挑戦するマインドセット
    3. 自分の魅力を信じて、まずは1件応募してみよう!
  9. まとめ

ファッションモデルとは?|仕事内容と種類を解説

ファッションモデルには自己表現だけでなく、商品の魅力を表現することも求められる。

ファッションモデルとは、ファッションアイテムや商品の魅力を表現することを職業とする人のことです。多くの人がイメージする華やかなランウェイでのファッションショーはもちろん、実際の仕事内容は非常に幅広く、様々な場面で活躍しています。

私がファッションモデルとして活動していた頃、最も多かったのは雑誌やecサイトでの撮影でした。ファッション誌の撮影では、ブランドの新作コレクションを着用し、そのアイテムの素材感やスタイルを読者に伝える重要な役割を担います。一方、ecサイトでの撮影は、商品の魅力を分かりやすく伝えることが求められ、表現力だけでなく、商品を理解する力も必要です。

モデルの種類とその特徴

ファッションモデルには、活動内容に応じていくつかの種類があります。

ショーモデル・ランウェイモデルは、ファッションショーでブランドの新作を披露するモデルです。身長170cm以上が一般的で、ウォーキングスキルと高い表現力が求められます。私も何度かファッションショーに出演した経験がありますが、照明の下で多くの人に見られながら歩く緊張感は、他の仕事では味わえない特別なものでした。

ショーモデル・ランウェイモデルについては、こちらの記事をご覧ください

パリコレモデルになるには?元モデルライターが明かすリアルな道のりと舞台裏
華やかなパリコレの舞台。その裏にある現実と道のりを、元モデルのライターが体験談と取材を交えてリアルに解説。条件、費用、準備、そして夢を叶えるために必要なことを丁寧にまとめました。

ECモデルは、通販サイトで商品を着用し撮影するモデルです。身長やプロポーションの条件が比較的柔軟で、未経験者でも始めやすい分野です。私が現在も続けているフリーランスのモデル活動では、このタイプの仕事が中心となっています。

コマーシャルモデルは、テレビCMや広告で商品やサービスをPRするモデルです。親しみやすさや人間性が重視され、特別な美しさよりも「この商品を使いたい」と思わせる魅力が大切になります。

パーツモデルは、手や足などの身体の一部分を専門とするモデルです。「手タレ」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。特定の部位に自信がある方には、意外な活躍の場となることもあります。

求められるスキルと表現力

ファッションモデルと聞くと、多くの人は「ルックスが良ければできる仕事」と思いがちです。しかし実際の現場では、それ以上に重要なスキルがあります。

まず、コミュニケーション能力です。撮影現場では、カメラマンやスタイリスト、芸能マネージャーなど様々な職業の方と連携して仕事を進めます。指示を正確に理解し、自分なりの解釈を加えて表現する力が必要です。

また、体力も欠かせません。長時間の撮影や、重いアクセサリーを身につけての撮影など、想像以上に体力を使う仕事です。私も撮影で一日中立ちっぱなしで、帰宅後は足がパンパンになったことが何度もありました。

そして何より大切なのは、継続的に努力できる姿勢です。ファッションモデルとしての仕事は、常に新しいトレンドを学び、自分自身をブラッシュアップしていく必要があります。スタイル管理はもちろん、ウォーキングの練習や写真での表情作りなど、日々の積み重ねが現場での活躍につながります。

ファッションモデルの給料・報酬ってどれくらい?

プロモーションの種類によって、報酬は異なってくる。

ファッションモデルの報酬について、多くの未経験者の方が気になる部分だと思います。私の実体験をもとに、リアルな数字をお伝えしましょう。

単発案件とレギュラー案件の違い

モデルの仕事には、単発の撮影案件とレギュラーで継続する案件があります。

単発案件の場合、ECサイトの撮影で1回3,000円〜10,000円程度が相場です。撮影時間は2〜4時間が一般的で、時給に換算すると1,000円〜2,500円程度になります。ファッション雑誌の撮影になると、1回10,000円〜30,000円と単価が上がりますが、競争も激しくなります。

レギュラー案件は、特定のブランドや企業と継続的に契約する形です。月に数回の撮影で月収50,000円〜100,000円程度が目安となりますが、こうした案件を獲得するには相応の経験と実績が必要です。

初心者モデルの報酬の目安

私がファッションモデルとして活動を始めた頃を振り返ると、最初の数ヶ月は月収20,000円〜30,000円程度でした。事務所に所属していた時期は、報酬の30〜50%が事務所の取り分となるため、手取りはさらに少なくなります。

現在、副業としてフリーランスでモデル活動を続けている私の場合、月に2〜3回の撮影で月収30,000円〜50,000円程度です。主にエステサロンの撮影モデルや、知人が経営するアパレル会社でのファッションモデルの仕事をしていますが、これらの継続的な関係性があってこその安定した収入と言えるでしょう。

「夢を追う」だけでは続かない現実

正直にお伝えすると、ファッションモデルだけで生活するのは簡単ではありません。私も学生時代から20代前半にかけて、モデル一本で生活していこうと考えた時期がありましたが、収入の不安定さに悩まされました。

現在は4歳の娘を育てながら、ライターとしての本業とモデルの副業を両立していますが、この形が私にとって最も理想的だと感じています。「モデルになりたい」という夢と現実的な生活基盤の両方を大切にすることで、長期的にモデル活動を続けられています。

未経験からファッションモデルを目指す方には、まずは副業から始めることをおすすめします。本業で安定した収入を確保しながら、徐々に経験を積んでいく方法なら、金銭的なプレッシャーを感じることなく、モデルとしてのスキルを身につけることができます。

ファッションモデルに向いている人とは?

日本にいると、日本人はファッションモデルには向いていない人が多いのでは?と思ってしまうが、そんなことはない。

「ファッションモデルに向いているのはどんな人?」この質問を受けることがよくありますが、多くの方が持っているイメージと実際の現場で求められる人物像には、少し違いがあります。

よくある誤解「顔立ちが良ければOK?」

「モデル=美人じゃないとダメ」これは最も多い誤解の一つです。確かに容姿は重要な要素の一つですが、それだけではファッションモデルとして成功することはできません。

私がこれまで一緒に仕事をしてきたモデルの中で、最も印象に残っているのは、決して「完璧な美人」ではないけれど、独特の魅力を持った方でした。その人は表情作りが非常に上手で、商品に合わせて全く違う表情を見せることができました。撮影現場では、カメラマンからも「また一緒に仕事したい」と言われるほど評価が高く、継続的に仕事を獲得していました。

実際に現場で求められる人物像

現場で10年以上活動してきた経験から言えるのは、以下のような特徴を持つ人がファッションモデルに向いているということです。

自己表現力は最も重要な要素の一つです。与えられたファッションアイテムやコンセプトを理解し、それを自分なりに表現する力が必要です。これは生まれ持った才能というより、経験を通じて身につけることができるスキルです。

対応力も欠かせません。撮影現場では予期しないトラブルが発生することがあります。衣装のサイズが合わない、天候が変わって撮影場所を変更するなど、様々な状況に柔軟に対応できる人が重宝されます。

体力については先ほども触れましたが、長時間の撮影に耐えられる体力は必須です。私も保育園のお迎え前に4時間の撮影をこなすことがありますが、集中力を保ち続けるためには相応の体力が必要です。

礼儀正しさも重要です。撮影現場は多くのプロフェッショナルが関わるチームワークの場です。スタッフの方々への感謝の気持ちを忘れず、謙虚な姿勢で臨むことが大切です。

継続的に努力できる姿勢

ファッションモデルとして活躍し続けるには、継続的な努力が欠かせません。体型管理はもちろん、最新のファッショントレンドをチェックし、表現力を磨く努力を続ける必要があります。

私は現在32歳で、4歳の娘を育てながらモデル活動を続けていますが、20代の頃とは違った努力が必要だと実感しています。体力的な面では若い頃のようにはいきませんが、人間性や経験値という面では、年齢を重ねたからこそ表現できる魅力があると感じています。

大人のモデルとして求められるのは、落ち着いた雰囲気や安定感です。子育ての経験を通じて身についた包容力や、ライターとしての仕事で培った表現力など、これまでの人生経験すべてがモデルとしての魅力につながっています。

ライターの視点から見た「また一緒に仕事したい」と思われるモデルの特徴

現在、ライターとして様々な撮影現場を取材する機会もあり、クライアント側の視点も理解できるようになりました。「また一緒に仕事したい」と思われるモデルには、共通した特徴があります。

まず、時間を守ることです。当たり前のことのようですが、これができていないモデルは意外に多いのが現実です。撮影は多くのスタッフが関わる仕事なので、一人の遅刻が全体のスケジュールに影響します。

次に、提案力があることです。ただ指示されたポーズを取るだけでなく、「こんな表情はどうでしょうか?」「この角度からの方が商品がきれいに見えませんか?」といった提案ができるモデルは、クリエイティブチーム全員から信頼されます。

そして最も大切なのは、周囲への配慮です。撮影現場では、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、照明スタッフなど、多くの方が一つの作品を作り上げるために協力しています。全員への感謝の気持ちを忘れず、チームの一員として貢献する姿勢を持つモデルは、必ず次の仕事につながります。

未経験からファッションモデルになる方法

未経験でもファッションモデルは目指せる。

「ファッションモデルになりたいけど、何から始めればいいの?」この質問は、私がライターとして受ける相談の中でも特に多いものです。未経験から始める場合の具体的なステップを、私の実体験を交えながらお伝えします。

STEP1:まずはプロフィール写真を用意する

ファッションモデルとして活動を始めるために、最初に必要なのはプロフィール写真です。「プロのカメラマンに撮影してもらわなければダメ?」と心配される方も多いのですが、実はスマホでも十分なクオリティの写真を撮ることができます。

私が現在もフリーランスのモデル活動で使用しているプロフィール写真の中には、友人にスマホで撮影してもらったものもあります。大切なのは、自然な表情と清潔感のある服装で、あなたの魅力が伝わる写真を撮ることです。

撮影のポイントとしては、自然光の下で撮影することをおすすめします。窓際などの明るい場所で、正面からと横顔の両方を撮影しておくと良いでしょう。全身写真も必要ですが、まずは顔がしっかりと分かる写真を優先してください。

STEP2:モデル事務所への応募orフリーで始める

プロフィール写真が用意できたら、モデル事務所に応募するか、フリーランスとして活動を始めるかを選択します。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分の状況に合わせて選択することが大切です。

モデル事務所に所属する場合は、芸能マネージャーのサポートを受けながら、オーディションや撮影の機会を得ることができます。初心者の方にとっては、業界のルールや撮影現場でのマナーを学べる貴重な機会にもなります。

一方、フリーランスとして始める場合は、自分のペースで活動できる自由度があります。私が現在フリーランスを選んでいるのも、子育てとの両立を考慮してのことです。保育園のお迎え時間に合わせて仕事を調整できるのは、大きなメリットです。

STEP3:スカウトに頼らない、地道なオーディション参加

「スカウトされるのを待っていれば、いつかチャンスが来る」そんな風に考えている方もいるかもしれませんが、実際のところ、街中でのスカウトからファッションモデルとして成功する人は非常に稀です。

私の経験では、地道にオーディションに参加し続けることが最も確実な方法です。最初は落選することの方が多いかもしれませんが、オーディションに参加すること自体が貴重な経験になります。

現在では、インターネット上でモデルの求人情報を検索することができます。「モデル 募集」「ファッションモデル オーディション」などのキーワードで検索すると、様々な案件を見つけることができます。また、モデル専門のマッチングアプリも増えており、未経験者でも応募しやすい環境が整っています。

モデル募集サイト・アプリの活用

最近では、モデルとクライアントを直接結ぶマッチングサイトやアプリが数多く登場しています。これらのプラットフォームでは、ECサイトの撮影モデルから、雑誌の読者モデル、イベントでのコンパニオンまで、様々な種類の仕事を見つけることができます。

私も現在、いくつかのマッチングサイトに登録しており、定期的に新しい案件をチェックしています。特に、地域密着型の案件や、短時間での撮影案件などは、子育て中の私にとって非常にありがたい存在です。

私が初めて受けたオーディションでの失敗談

恥ずかしい話ですが、私が初めて受けたオーディションでの失敗談をお話しします。当時19歳だった私は、ファッション雑誌のモデルオーディションに応募しました。緊張のあまり、自己PRの時間で何も話せなくなってしまい、面接官の方に「大丈夫ですか?」と心配されてしまったのです。

結果は当然不合格でしたが、この経験から学んだことは計り知れません。準備の大切さ、そして失敗を恐れずに挑戦し続ける勇気の重要性を身をもって学びました。その後も数多くのオーディションに参加し、徐々にコツを掴んでいきました。

今振り返ると、あの失敗があったからこそ、現在の私があると思います。未経験の方にお伝えしたいのは、最初の失敗を恐れる必要はないということです。むしろ、早めに失敗を経験して、そこから学ぶことの方が重要です。

身長・体型の条件ってどれくらい必要?

身長や体型を気にし過ぎる必要はない。

「身長が低いからモデルは無理」「体型に自信がないから諦めよう」そんな風に考えて、ファッションモデルへの挑戦を躊躇している方も多いのではないでしょうか。確かに身長や体型は重要な要素ですが、思っているほど厳格な条件があるわけではありません。

一般的な基準とその実情

ファッション誌やランウェイでのショーモデルの場合、一般的には身長165cm以上が求められることが多いです。特に海外ブランドのファッションショーでは、170cm以上が基準となることもあります。私自身は168cmで、学生時代にはランウェイでの経験もありましたが、決して高い方ではありませんでした。

しかし、これはあくまで一般的な基準であり、すべてのファッションモデルの仕事に当てはまるわけではありません。実際の現場では、身長よりも全体的なプロポーションや、そのブランドが求めるイメージに合うかどうかが重視されることも多いのです。

体型についても、「痩せていなければダメ」という固定観念を持つ方が多いのですが、最近では多様性を重視する傾向が強くなっています。健康的な体型であれば、必ずしも極端に細い必要はありません。

ECサイトモデルやコマーシャルモデルは柔軟

ECサイトでのファッションモデルや、コマーシャルモデルの場合、身長や体型の条件はかなり柔軟です。むしろ、「一般的な体型の人が着た時のイメージ」を求められることが多く、親しみやすさや自然な魅力の方が重視されます。

私が現在行っているECサイトでの撮影では、158cm~175cmまで、様々な身長のモデルが活躍しています。大切なのは、そのブランドのターゲット層に近い体型や雰囲気を持っているかどうかなのです。

「身長が足りない=不利」は一概に言えない理由

身長が平均より低いことを気にされる方も多いのですが、実は身長が低いからこそ活躍できる分野もあります。例えば、パーツモデルの場合、手や足の美しさが最も重要で、身長はほとんど関係ありません。

また、商品撮影の場合、商品とのバランスが重要になることもあります。アクセサリーやバッグなどの小物の撮影では、身長が低い方が商品が際立って見えることもあるのです。

私が知っているモデルの中には、身長155cmでありながら、手の美しさを活かしてアクセサリーブランドの専属パーツモデルとして活躍している方もいます。その方は「身長が低いことがコンプレックスだった」と話していましたが、今では自分の特徴を最大限に活かした仕事で成功されています。

重要なのは、自分の体型を受け入れ、それを活かせる分野を見つけることです。すべてのファッションモデルが同じ条件である必要はありません。あなたらしい魅力を表現できる場所が、必ずあるはずです。

モデル事務所に所属するメリット・デメリット

CMなどの大きな案件は事務所所属の方が有利なケースが多い。

ファッションモデルとして活動を始める際、多くの方が悩むのが「モデル事務所に所属するべきか、フリーランスで活動するべきか」という問題です。私自身、学生時代から20代前半にかけて芸能事務所に所属し、その後フリーランスに転向した経験があります。両方を経験した立場から、それぞれのメリット・デメリットをお伝えします。

所属することで得られるサポート・案件

モデル事務所に所属する最大のメリットは、芸能マネージャーによる手厚いサポートを受けられることです。オーディション情報の提供から、撮影現場でのサポート、キャリアプランの相談まで、プロフェッショナルなサポートを受けることができます。

私が事務所に所属していた頃は、個人では獲得できないような大きな案件にも参加する機会がありました。有名ブランドのファッションショーや、全国展開する企業の広告撮影など、事務所の信頼関係があってこそ参加できる仕事も多かったのです。

また、未経験者にとって特に価値があるのは、撮影現場でのマナーや業界のルールを教えてもらえることです。どんな服装で現場に行けばいいのか、撮影時の注意点は何か、そういった基本的なことから丁寧に教えてもらえます。

契約の注意点

一方で、事務所に所属する際に注意すべき点もあります。最も大きいのは、報酬の取り分です。一般的に、事務所は売上の30~50%を取ることが多く、手取り収入は思っているより少なくなることがあります。

また、独占契約の場合、他の事務所やフリーランスでの活動が制限されることもあります。私が所属していた事務所も独占契約で、副業での活動は一切禁止されていました。当時は特に問題を感じていませんでしたが、現在のように子育てと両立させながら柔軟に働きたいと思った時に、この制約が大きな障壁となりました。

契約期間についても注意が必要です。長期契約を結んだ場合、途中で辞めたくても違約金が発生することがあります。私は幸い、契約期間満了とともに円満に事務所を離れることができましたが、中には契約で揉めるケースもあると聞きます。

フリーで活動する道との違い

フリーランスで活動する場合、最大のメリットは自由度の高さです。自分のスケジュールに合わせて仕事を選ぶことができ、報酬も100%自分のものになります。

現在の私のように、子育てをしながらモデル活動を続ける場合、この自由度は非常に重要です。保育園のお迎え時間に合わせて撮影時間を調整したり、娘の体調不良で急遽キャンセルしなければならない時も、クライアントと直接やり取りができるので、柔軟に対応してもらえることが多いです。

しかし、フリーランスには営業活動から契約交渉、スケジュール管理まで、すべてを自分で行わなければならないという大変さもあります。特に最初の頃は、どうやって仕事を見つければいいのか、料金設定はどうすればいいのか、分からないことばかりでした。

私がフリーランスを選んだ理由とリアル

私がフリーランスを選んだ最大の理由は、ライフスタイルの変化でした。結婚・出産を経て、ファッションモデル一本で生計を立てるよりも、ライターとしての本業を持ちながら、趣味と実益を兼ねてモデル活動を続けたいと思うようになったのです。

現在のフリーランスでの活動では、月に2~3回の撮影で、エステサロンの広告モデルや、知人のアパレル会社でのファッションモデルをしています。収入面では事務所所属時の安定感には及びませんが、自分らしい働き方ができている満足感があります。

また、ライターとしての経験が、モデルとしての表現力向上にも役立っています。文章で伝える技術と、身体で表現する技術には共通点が多く、両方を並行して行うことで、それぞれのスキルが相乗効果を生んでいると感じています。

実際にやってみて分かった、モデルの魅力と厳しさ

どんな仕事にも厳しい側面はあるが、モデルの仕事ならではの魅力が確かに存在している。

10年以上ファッションモデルとして活動してきた中で、この仕事の魅力と厳しさの両方を実感してきました。これからモデルを目指す方には、華やかな面だけでなく、リアルな部分も知っていただきたいと思います。

仕事で得た自信と喜び

ファッションモデルとして活動する中で最も大きな喜びは、自分の表現によって商品やブランドの魅力を伝えられることです。撮影した写真が雑誌に掲載された時、ECサイトに使用された時の喜びは、他の仕事では味わえない特別なものです。

また、様々な人との出会いも大きな魅力の一つです。カメラマン、スタイリスト、ヘアメイクアーティストなど、クリエイティブな分野で活躍する多くの方々と出会い、刺激を受けることができました。現在のライターとしての仕事でも、この人脈が活かされることが多々あります。

自分自身の内面的な成長も大きな収穫でした。人前で表現することへの恥ずかしさを克服し、自信を持って自分を表現できるようになったことは、モデル以外の場面でも大きな財産となっています。

時には体調が悪くても笑顔を求められる現場

一方で、ファッションモデルという仕事の厳しさも数多く経験しました。最も辛かったのは、体調が優れない時でも撮影に臨まなければならないことでした。

特に印象に残っているのは、インフルエンザの初期症状が出ていた時の撮影です。熱っぽさと倦怠感がありましたが、多くのスタッフが準備してくださった撮影をキャンセルするわけにはいかず、笑顔で撮影に臨みました。プロとしての責任感は必要ですが、自分の体調管理の重要性を痛感した出来事でもありました。

また、長時間の撮影で体力的にきつい時でも、常に美しい表情と姿勢を保つことが求められます。真夏の屋外での撮影で汗だくになっても、真冬の薄着での撮影で震えていても、それを表に出すことはできません。

「モデル=表現者」であることの意味

ファッションモデルとして活動する中で最も学んだのは、モデルは単なる「服を着る人」ではなく、「表現者」であるということです。与えられたファッションアイテムやコンセプトを理解し、それを自分なりに解釈して表現する創造性が求められます。

この表現者としての側面は、非常にやりがいがある一方で、常に自分を磨き続ける努力が必要です。トレンドの変化に敏感であること、様々な表情や仕草を身につけること、体型を維持することなど、目に見えない努力の積み重ねが重要になります。

子育てとモデル業を両立するコツ

現在、4歳の娘を育てながらモデル活動を続ける中で学んだ両立のコツをお伝えします。

最も重要なのは、周囲の理解と協力を得ることです。保育園の先生方には、私の仕事について説明し、時には撮影の都合でお迎えが遅くなることもある旨をご理解いただいています。また、夫や両親にも、撮影の日程を事前に共有し、サポートをお願いしています。

スケジュール管理も重要です。娘の体調不良や保育園行事などを考慮して、撮影の予定は余裕を持って組むようにしています。また、体調管理には特に気を使い、家族全員が健康でいられるよう心がけています。

何より大切なのは、無理をしないことです。以前は「プロだから体調不良でも頑張らなければ」と思っていましたが、今は家族を最優先に考え、本当に無理な時は率直にお断りするようにしています。その結果、長期的により良い関係を築けているクライアントが多いです。

未経験でも一歩踏み出すために大切なこと

始めたいと思った時がタイミングだ。新たな1ページをスタートしよう。

これまで、ファッションモデルの仕事内容から報酬、向いている人の特徴、そして実際の体験談まで、様々な角度からお話ししてきました。最後に、未経験からファッションモデルを目指す方に向けて、最も大切なメッセージをお伝えしたいと思います。

始めるのに「遅すぎる」はない

「もう30歳だから遅いかも」「学生時代に始めておけばよかった」そんな風に年齢を理由に諦めようとしている方はいませんか?私は32歳の今でも現役でモデル活動を続けており、この年齢だからこそ表現できる魅力があると確信しています。

確かに10代や20代前半とは違った魅力になりますが、人生経験を重ねた大人だからこそ表現できる落ち着きや深みがあります。特に、同世代の女性をターゲットとしたブランドでは、リアルな魅力を持つ大人のモデルが求められることが多いのです。

実際、私が最近参加したエステサロンの撮影では、「子育て経験のある等身大の女性」というコンセプトで選ばれたと聞いています。20代の頃には表現できなかった、母親としての包容力や生活感のある自然な美しさが評価されたのです。

周囲の目を気にせず挑戦するマインドセット

「モデルなんて恥ずかしい」「周りにどう思われるかな」という不安を感じる方も多いでしょう。私も最初は家族や友人に「モデルをやってみたい」と言うのが恥ずかしかった記憶があります。

しかし、実際に活動を始めてみると、周囲の反応は思っていたよりもポジティブでした。むしろ、「挑戦する姿勢がすごい」「頑張って」と応援してもらえることの方が多かったのです。

大切なのは、他人の評価ではなく、自分がやりたいと思う気持ちを大切にすることです。たとえ最初は小さな一歩でも、その積み重ねが大きな変化につながります。

自分の魅力を信じて、まずは1件応募してみよう!

完璧を求めすぎて、なかなか最初の一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。「もう少し痩せてから」「プロフィール写真をもっと良いものに撮り直してから」と考えているうちに、時間だけが過ぎてしまうことがあります。

私からのアドバイスは、まずは今の自分で1件応募してみることです。完璧でなくても構いません。応募すること自体が貴重な経験になりますし、実際の応募を通じて、何が足りないのか、どう改善すればいいのかが見えてきます。

最初は小さなECサイトの撮影モデルや、地域密着型の広告モデルなど、ハードルの低いものから始めてみてください。そこで得た経験と自信が、次のステップへの原動力となります。

今、この記事を読んでくださっているあなたには、すでにファッションモデルに興味を持ち、情報を収集する行動力があります。その行動力こそが、モデルとして最も大切な資質の一つなのです。

まとめ

「ファッションモデル」は夢で終わらせる必要はありません。確かに華やかに見える世界ですが、未経験からでも、段階的にスキルを身につけながら挑戦できる現実的な職業でもあります。

私自身の経験を振り返ると、学生時代に初めてオーディションを受けた時の緊張感、初めての撮影で失敗した時の悔しさ、そして少しずつ経験を積んで自信をつけていった過程のすべてが、今の自分を形作っています。完璧なスタートを切ったわけではありませんが、一歩ずつ前進することで、長期間にわたってモデル活動を続けることができています。

未経験でも、今の自分からスタートできます。身長が平均的でも、特別な美貌がなくても、あなたにしかない魅力を表現する場所は必ずあります。大切なのは、自分の可能性を信じて、小さな一歩を踏み出す勇気を持つことです。

この一歩が、あなたにとって大きな転機になるかもしれません。新しい自分との出会い、クリエイティブな仕事への参加、そして何より、挑戦することで得られる自信と成長。これらすべてが、モデル活動を通じて得られる貴重な財産となるでしょう。

子育てをしながらでも、本業を持ちながらでも、自分らしい形でファッションモデルとして活躍することは可能です。私のように副業として続ける方法もあれば、将来的には本格的にモデル業に専念する道もあります。まずは自分のペースで、無理のない範囲から始めてみてください。

あなたの挑戦を心から応援しています。この記事が、ファッションモデルへの第一歩を踏み出すきっかけになれば、こんなに嬉しいことはありません。

タイトルとURLをコピーしました