東京コレクションの歴史を徹底解説|ファッションウィークと東京ガールズコレクションの進化

副業モデルの基礎知識

東京コレクションは、日本を代表するファッションイベントとして、長年にわたって国内外のファッション業界に大きな影響を与えてきました。一方で、2005年に始まった東京ガールズコレクションは、より一般の方々に身近なファッションイベントとして定着しています。

「東京コレクションっていつから始まったの?」「東京ガールズコレクションとどう違うの?」そんな疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。私自身がモデル活動を行ってきた経緯から、周りには東京コレクションも東京ガールズコレクションも、どちらのランウェイも歩いたことのあるモデルは何人もいます。聞いた話では、東京コレクションの緊張感と、東京ガールズコレクションの開放的な雰囲気には違いがあるとのことでした。経験者が語るリアルな感想に、聞き入ってしまったことを今でも鮮明に覚えています。

この記事では、東京コレクション歴史を紐解きながら、東京ガールズコレクションとの違いや、それぞれが日本のファッション産業に与えた影響について、詳しく解説していきます。

東京コレクションとは?

東京コレクションの正式名称はJapan Fashion Weekであった時期もあったが、現在は「Rakuten Fashion Week Tokyo」になった。

日本の公式ファッションウィーク

東京コレクションは、日本における公式のファッションウィークであり、国内外のトップデザイナーが新作コレクションを発表する重要なイベントです。現在は「Rakuten Fashion Week Tokyo」として開催されており、春夏コレクションは3月、秋冬コレクションは10月に年2回開催されています。

主催は当初、東京ファッションデザイナー協議会(CFD)が行っていましたが、現在は日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)が運営を担当しています。会場は渋谷ヒカリエをはじめとする東京都内の複数の施設で行われ、業界関係者やメディア、バイヤーなどプロフェッショナルが集まる場となっています。

世界には「4大ファッションウィーク」と呼ばれる、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのファッションウィークがありますが、東京コレクションはアジア地域を代表するファッションウィークとして、その地位を確立しています。私がモデル時代に参加した際も、海外からのバイヤーやメディアの方々が多く来場されており、国際的な注目度の高さを実感しました。

東京コレクションの目的

東京コレクションには大きく3つの目的があります。

まず第一に、デザイナーが新作を発表する場としての役割です。シーズンごとの最新トレンドや、デザイナーの創作意図を業界関係者に伝える重要なプラットフォームとなっています。

第二に、日本のファッション産業の国際化を推進することです。海外のバイヤーやメディアを招致することで、日本ブランドの海外進出を支援し、世界市場での競争力向上を目指しています。

そして第三に、若手デザイナーの登竜門としての機能です。新進気鋭のデザイナーが業界デビューを果たす場として、多くの才能ある創作者を世に送り出してきました。実際、私がランウェイを歩いたショーの中にも、現在は有名ブランドのデザイナーとして活躍されている方が何人もいらっしゃいます。

東京コレクションの歴史を振り返る

1986年、記念すべき第1回「東京プレタポルテコレクション」が開催された。

黎明期:1970年代から1980年代

東京コレクション歴史は、1970年代まで遡ります。1974年、日本のファッション界に革命をもたらす出来事が起こりました。三宅一生、川久保玲、松田光弘、山本耀司、山本寛斎、森英恵という6人のデザイナーが「TD6」を結成したのです。この6人は後に日本ファッション界のレジェンドとなる人物たちでした。

1985年には「東京ファッションデザイナー協議会(CFD)」が発足し、日本のファッション産業を組織的に支援する体制が整いました。そして1986年、記念すべき第1回「東京プレタポルテコレクション」が開催されました。これが現在の東京コレクションの原点となります。

1988年には「東京コレクション」へと改称され、より親しみやすい名称となりました。この時代から、コシノジュンコ、コシノヒロコ、松田光弘といったトップデザイナーたちが精力的にショーを開催し、日本のファッション界をリードしていきました。

2000年代以降の発展

2000年代に入ると、東京コレクションは大きな転換点を迎えます。スポンサーの変遷とともに、イベントの規模や影響力も拡大していきました。メルセデス・ベンツが冠スポンサーとなった時期を経て、Amazon、そして現在の楽天へとスポンサーが変わる中で、デジタル化への対応も進みました。

特に近年では、新型コロナウイルスの影響もあり、オンライン配信やデジタルプラットフォームの活用が加速しています。私も最近参加したショーでは、従来のランウェイ形式に加えて、SNS向けのコンテンツ制作も同時に行われており、時代の変化を肌で感じました。

代表的なデザイナーたちの功績

東京コレクションを語る上で欠かせないのが、数々の才能あるデザイナーたちの存在です。コシノジュンコは、日本の伝統的な美意識を現代ファッションに昇華させた先駆者として知られています。コシノヒロコは、よりモダンでエレガントなスタイルで多くの女性を魅了しました。松田光弘は、メンズファッションの分野で革新的なデザインを提案し続けています。

私が学生時代に初めて東京コレクションのランウェイを歩いたのは、まさにこうしたレジェンドデザイナーの一人が手がけるブランドのショーでした。緊張で震えながらバックステージで待機していた時、そのデザイナーから「君の歩き方には個性がある。自信を持って歩きなさい」と声をかけていただいたことが、今でも私の大切な思い出となっています。

東京コレクションが果たした役割

東京コレクションは、日本のファッション界において重要な役割を果たしてきました。最も大きな功績は、日本のファッションが「高級既製服(プレタポルテ)」市場に本格参入するきっかけを作ったことです。それまで海外ブランドが中心だった市場に、日本のデザイナーブランドが堂々と参入できるようになりました。

また、アジアにおけるファッションハブとしての役割も重要です。香港、韓国、台湾など近隣諸国からの注目も高く、東京コレクションで発表されたトレンドがアジア全体に波及することも少なくありません。私がモデル時代に出会った韓国や台湾出身のモデル仲間たちも、「東京のファッションセンスは本当に洗練されている」と話していたのが印象的でした。

東京ガールズコレクション(TGC)との違い

2005年8月、さいたまスーパーアリーナで第1回東京ガールズコレクションが開催された。

東京ガールズコレクション誕生の背景

2005年8月、さいたまスーパーアリーナで第1回東京ガールズコレクションが開催されました。発起人は大浜史太郎氏で、W TOKYO実行委員会が主催となって始まったこのイベントは、従来の東京コレクションとは全く異なるコンセプトで企画されました。

東京ガールズコレクションの最大の特徴は、「リアルクローズ」をテーマにしていることです。高級既製服やオートクチュールではなく、一般の女性が実際に購入できる価格帯の洋服を中心に展開しています。私も学生時代に東京ガールズコレクションに参加した経験がありますが、会場の熱気と観客の皆さんの盛り上がりは、東京コレクションとはまったく違う種類のエネルギーに満ちていました。

2つのイベントの違いを徹底比較

東京コレクションと東京ガールズコレクションの違いを分かりやすく整理してみましょう。

【対象者】

  • 東京コレクション:ファッション業界関係者(バイヤー、メディア、プレス等)

  • 東京ガールズコレクション:一般消費者(特に10代~30代の女性)

【主催者】

  • 東京コレクション:東京ファッションデザイナー協議会(CFD)/ 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)

  • 東京ガールズコレクション:W TOKYO実行委員会

【開始年】

  • 東京コレクション:1986年(東京プレタポルテコレクションとして)

  • 東京ガールズコレクション:2005年

【会場の特徴】

  • 東京コレクション:渋谷ヒカリエなど、洗練された都市型会場

  • 東京ガールズコレクション:さいたまスーパーアリーナなど、大規模アリーナ会場

【コンセプト】

  • 東京コレクション:デザイナーの創作性重視、アート性の高い新作発表

  • 東京ガールズコレクション:エンターテイメント性重視、音楽・カルチャーとの融合

私が体験した2つのイベントの違い

実際に両方のイベントでランウェイを歩いた経験から言うと、雰囲気は本当に正反対でした。東京コレクションでは、バックステージは静寂に包まれ、デザイナーやスタイリストが細部にまで神経を注ぐプロフェッショナルな緊張感がありました。ランウェイでも、観客は真剣な眼差しでコレクションを見つめ、写真や動画撮影は限られた報道陣のみという厳格なルールがありました。

一方、東京ガールズコレクションは全く違います。会場には音楽が響き、観客の皆さんからは歓声が上がり、まるでコンサート会場のような盛り上がりでした。モデルも表情豊かに、時には観客とアイコンタクトを取りながら楽しそうに歩いているのが印象的でした。私自身、東京ガールズコレクションでは「楽しむ」ことを最優先に、笑顔でランウェイを歩いたことを覚えています。

「どちらが良い悪いということではなく、それぞれ異なる価値を提供している」というのが、両方を経験した私の率直な感想です。東京コレクションは日本のファッション産業の発展に貢献し、東京ガールズコレクションは一般の女性にファッションの楽しさを伝える役割を果たしていると感じます。

開催時期と頻度の違い

東京コレクションは年2回、春夏コレクションは3月、秋冬コレクションは10月に開催されるのが基本です。これは世界の4大ファッションウィークとスケジュールを合わせているためです。

一方、東京ガールズコレクションは年3月と年10月を中心に、時期によっては年4月、年7月、年11月にも開催されることがあり、より頻繁にイベントが行われています。私が参加した際も、「また来月もTGCがあるから、ぜひ参加してね」と声をかけていただいたことがありました。

日本ファッション産業への影響と今後

東京コレクションは、日本のファッションを世界に広める重要な役割を果たしてきた。

東京コレクションが世界に与えた影響

東京コレクションは、日本のファッションを世界に広める重要な役割を果たしてきました。特に1980年代から1990年代にかけて、川久保玲や山本耀司といったデザイナーが海外で高い評価を受けるきっかけとなったのも、東京コレクションでの発表が出発点でした。

現在でも、日本の独特な美意識やテクノロジーを活用したファッションは、海外のファッション関係者から高い関心を集めています。私が最近参加したショーでも、3Dプリンターで作られたアクセサリーや、伝統的な染色技術を現代的にアレンジした生地など、日本ならではの技術と感性が融合した作品が数多く発表されていました。

アジア市場における日本ブランドの立ち位置

近年、韓国や中国のファッションブランドの台頭が目覚ましい中で、日本ブランドはどのような立ち位置にあるのでしょうか。私がモデル活動を通じて感じるのは、日本ブランドの強みは「品質の高さ」と「細部へのこだわり」にあるということです。

東京コレクションで発表される作品を見ていると、縫製技術の精度や素材選びの妥協のなさは、他国のブランドと比較しても群を抜いていると感じます。この「モノづくり」への真摯な姿勢こそが、日本ファッションの国際競争力の源泉だと思います。

デジタル時代への対応

コロナ禍を経て、ファッション業界もデジタル化が急速に進みました。東京コレクションでも、従来の会場でのファッションショーに加えて、オンライン配信やバーチャルショールームの活用が当たり前になっています。

私も最近参加したショーでは、Instagram用の縦型動画やTikTok用のショート動画の撮影が同時並行で行われており、「一つのショーで複数のコンテンツを制作する」という新しいスタイルを体験しました。これは、より多くの人にファッションの魅力を伝える素晴らしい取り組みだと感じています。

今後の展望:次世代に残したい東京ファッションの姿

個人的な意見ではありますが、元モデル・現役ライターとして、私が次世代に残したい東京ファッションの姿について考えてみました。それは、「多様性を受け入れる包容力」だと思います。

東京コレクションの厳格でアーティスティックな世界と、東京ガールズコレクションの親しみやすくエンターテイメント性豊かな世界。この両方が共存していることこそが、東京ファッションの豊かさを物語っています。4歳の娘にも、将来は「ファッションには正解なんてない。自分らしさを表現することが一番大切なんだよ」と伝えたいと思います。

また、持続可能性(サステナビリティ)への取り組みも重要な課題です。最近のショーでは、リサイクル素材を使用した服や、長く着続けられるタイムレスなデザインの服が注目されています。美しいファッションを楽しみながら、地球環境にも配慮する。そんな成熟したファッション文化を、次の世代に引き継いでいきたいと思います。

まとめ

東京コレクション歴史を振り返ると、1974年のTD6結成から始まり、1986年の第1回東京プレタポルテコレクション開催を経て、現在のRakuten Fashion Week Tokyoまで、約50年にわたって日本のファッション産業を牽引し続けてきたことが分かります。

一方、2005年に始まった東京ガールズコレクションは、さいたまスーパーアリーナを舞台に、一般消費者にファッションの楽しさを広める重要な役割を担ってきました。リアルクローズをテーマとし、音楽やエンターテイメントと融合したこのイベントは、多くの若い女性にとってファッションへの入り口となっています。

両者の歴史と違いを理解することで見えてくるのは、日本のファッション業界の多様性と可能性です。東京コレクションが培ってきた技術力と創造性、そして東京ガールズコレクションが広げた裾野の広さ。この両輪があるからこそ、日本のファッション産業は持続的な発展を続けています。

最後に、読者の皆さんに問いかけたいと思います。「あなたにとって東京コレクションはどんな存在ですか?」憧れの舞台でしょうか、それとも遠い世界の出来事でしょうか。私の経験から言えることは、ファッションは決して敷居の高いものではないということです。東京コレクションの革新性も、東京ガールズコレクションの親しみやすさも、すべては「自分らしさを表現したい」という人間の根本的な欲求から生まれています。

これからも日本のファッションシーンがどのように進化していくのか、一人の元モデル・現役ライター・そして一人の母として、温かく見守っていきたいと思います。そして、ファッションの世界に一歩踏み出したいと考えている方々の背中を、これからも優しく後押ししていけたらと願っています。

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