「モデルになりたい」そんな夢を抱いているあなた。でも、どうやって第一歩を踏み出せばいいのか分からない…そんな気持ちで悩んでいませんか？
私も数年前まではそうでした。北海道の小さな町で育ち、モデルという仕事は遠い世界の話だと思っていました。でも「やってみたい」という気持ちだけを胸に、勇気を出してオーディションに応募したことが、今の私の人生を大きく変えました。
初めてのモデルオーディションは、誰でも不安なもの。「自分なんかが受かるわけない」「何を準備すればいいの？」「面接で何を聞かれるの？」様々な疑問や不安が湧いてきますよね。でも、大丈夫です！
現在、東京在住の32歳。4歳の娘を育てながら、フリーランスのライター業と並行して、エステやアパレルのモデルとして活動している私が、10年間の業界経験を基に、リアルなモデルオーディションの世界をお伝えします。
この記事では、単なる「こうすれば受かります！」という表面的なアドバイスではなく、元芸能事務所所属モデルとしての私の経験と、現在フリーランスモデルとして活動する中で感じたことをベースに、オーディションを勝ち抜くための実践的な秘訣をお届けします。
あなたの「モデルになりたい」という夢を、一歩現実に近づけるお手伝いができれば嬉しいです。それでは、モデルオーディション合格への道を一緒に歩んでいきましょう！
モデルオーディションってどんな世界？基本を知ろう
そもそも「モデルオーディション」とは？
「モデルオーディション」という言葉を聞いたとき、多くの方はテレビで見るようなランウェイを歩くスーパーモデルや、雑誌の表紙を飾るようなトップモデルを思い浮かべるかもしれません。実際には、モデルになるための道は一つではなく、様々なルートが存在します。
モデルになるための一般的なルートとして、主に以下の3つが挙げられます：
事務所オーディション: タレント事務所やモデル事務所が定期的に開催するオーディションに応募し、合格すれば所属モデルとして活動できます。安定性があり、さまざまな仕事のチャンスがありますが、事務所のルールに従う必要があります。
雑誌オーディション: ファッション雑誌などが読者モデルを募集するオーディションです。私も最初はこのルートでモデル活動を始めました。「素人らしさ」が求められることも多く、未経験でも挑戦しやすいのが特徴です。
直接応募: ブランドやメーカーが直接モデルを募集するケースです。SNSでの募集も増えており、チャンスは広がっています。
そして、モデルと一言で言っても様々な種類があることをご存知でしょうか？
「読者モデル」は、雑誌などで読者の代表として起用されるモデルです。一般的に親しみやすさやリアルな着こなしが求められ、プロのモデルとは異なる「等身大の魅力」が重視されます。私が初めてモデル活動を始めたのも読者モデルからでした。書類審査と面接だけで選ばれるケースが多く、未経験者の登竜門とも言えます。
「専属モデル」は特定の雑誌やブランドと契約を結び、継続的に起用されるモデルです。安定した収入が見込める一方、専属契約の条件によっては他の仕事に制限がかかることもあります。
「ファッションショーモデル」はランウェイを歩くモデルで、通常は身長などの条件が厳しく設定されています。私は学生時代に地元の北海道でファッションショーに出たことがありますが、東京のプロのショーとは規模も求められるものも全く違いました。一般的に、ファッションショーモデルには高い身長（女性で170cm以上、男性で180cm以上が目安）とプロポーションが求められることが多いです。
モデルオーディションの種類と特徴
モデルオーディションは主催者によって大きく分けると、雑誌系、事務所系、ブランド主催系の3つがあります。それぞれ特徴が異なるので、自分の希望や状況に合わせて選ぶことが大切です。
雑誌系オーディション
雑誌が読者モデルを募集するオーディションです。「〇〇ガール」「〇〇ボーイ」といった読者モデルの選考などがこれにあたります。
メリット: 未経験でも挑戦しやすく、合格すれば雑誌での露出が約束されている。SNSのフォロワー数などが評価されることもある。
デメリット: 報酬が少なかったり、無償の場合もある。継続的な仕事が保証されているわけではない。
私の場合は、大学生の時に北海道のローカル情報誌の読者モデルオーディションに応募したのが最初でした。「普通の女の子」が求められていたので、特別なスキルがなくても挑戦できたのが良かったです。撮影は月に1回程度で、報酬は雑誌と写真のみでしたが、貴重な経験になりました。
事務所系オーディション
モデル事務所やタレント事務所が開催するオーディションです。合格すれば事務所に所属し、事務所を通じて様々な仕事を受けることになります。
メリット: 事務所のサポートを受けられる。様々な仕事の紹介がある。プロとしてのキャリア形成が可能。
デメリット: 事務所のルールに従う必要がある。契約内容によっては活動に制限がかかることも。レッスン費用などが発生する場合もある。
上京後、私はある中堅の芸能事務所のオーディションに合格し、所属モデルとして活動していました。事務所からの仕事紹介があり、雑誌の撮影やCM、イベントなど様々な経験ができました。ただ、事務所のスケジュール調整に従う必要があったので、自分の都合だけでは動けないことも多かったです。
ブランド主催系オーディション
アパレルブランドやコスメブランドなどが、自社の広告や商品PRのためにモデルを募集するケースです。
メリット: 特定のブランドのイメージに合っていれば、プロでなくても起用されるチャンスがある。短期間でも良い報酬が得られることも。
デメリット: 単発の仕事であることが多く、継続的なキャリアにはつながりにくい。
フリーランスになってからは、知人が経営するアパレルブランドのモデルを務めることがありました。実際に商品を着用して撮影するので、自分のスタイルを活かせる点が魅力でした。また、一般的に募集されるオーディションよりも、コネクションやSNSでの繋がりから声がかかることが多いのも特徴です。
各オーディションにはそれぞれ特色があるので、自分の目標や状況に合わせて選ぶことをおすすめします。たとえば、初心者なら雑誌の読者モデルから始めるのが比較的ハードルが低いでしょう。プロを目指すなら事務所オーディションが王道です。すでにSNSで影響力がある方は、ブランドから直接オファーが来ることも珍しくありません。
オーディションに合格する人ってどんな人？
未経験でもOK？求められる資質とは
「モデル経験がないと、オーディションに合格するのは難しいのでは？」 そんな不安を抱える方も多いでしょう。確かに経験者は有利な面もありますが、モデルオーディションでは「経験」よりも「可能性」や「個性」を見られることが多いんです。
私が事務所に所属していた頃、新人モデルのオーディションに立ち会う機会がありました。そこで感じたのは、事務所やプロダクションが見ているのは、今の完成度だけではなく「伸びしろ」と「自己プロデュース力」だということです。
「伸びしろ」とは、成長の可能性のこと。特に若い方の場合、現時点での経験や技術よりも、今後どれだけ成長できるかが重視されます。オーディションでは、指示を素直に聞き入れる柔軟性や、ポーズの変化に対応できる適応力などが見られています。
私が初めてのオーディションで言われた言葉が忘れられません。「技術は教えられるけど、個性は教えられない」という言葉です。確かに、カメラの前での立ち方やポーズは練習で身につけられますが、あなただけの個性や魅力は、他の誰にも真似できないものです。
「自己プロデュース力」も非常に重要です。これは単に見た目を整えるということではなく、自分という「商品」の価値を理解し、最大限に引き出す能力のことです。オーディションでは、与えられたテーマに対して自分なりの解釈や表現ができるか、自分の魅力をどう伝えられるかが問われます。
例えば、私がフリーランスモデルとして活動を再開した際、「32歳・ママモデル」という自分の立ち位置を明確にし、「同年代の女性が親近感を持てるモデル」として自己プロデュースしました。これにより、エステやアパレルのモデルとして、特定の層に訴求できる強みを持つことができたのです。
また、経験よりも「らしさ」が武器になる理由は、モデルの仕事が多様化しているからでもあります。かつてのモデルは「美しさ」や「スタイルの良さ」だけが求められていましたが、現代では「共感性」や「リアルさ」も重要な要素になっています。
インスタグラムなどのSNSの普及により、「憧れの存在」だけでなく「親近感が持てる存在」としてのモデル需要が高まっています。だからこそ、あなたらしさや個性が重要視されるのです。
未経験でも合格するためのポイントは以下のとおりです：
自分の強みを知る: 特別な経験がなくても、あなただけの魅力や個性があるはずです。それは何か、じっくり考えてみましょう。
準備を怠らない: 未経験だからこそ、オーディションについての情報収集や身だしなみの準備など、できることはすべて行いましょう。
素直さと熱意を示す: 技術がなくても、「学びたい」「成長したい」という姿勢は、審査員に伝わります。
自然体でいる: 無理に「モデルっぽく」振る舞うより、素のあなたの魅力を出すことが大切です。
実体験：私がオーディションで心がけたこと
これまで様々なモデルオーディションを経験してきた中で、書類審査から面接まで、私が意識してきたポイントをお伝えします。
書類審査で意識したこと
書類審査は、あなたの第一印象を決める重要なステップです。エントリーシートや履歴書、応募写真で審査員の目に留まらなければ、次のステップに進むことはできません。
私が書類を作成する際に心がけたのは、「誠実さ」と「個性の表現」のバランスです。基本情報は正確に、丁寧に記入することは当然ですが、それだけでは印象に残りません。「志望動機」や「自己PR」の欄では、型通りの回答ではなく、自分ならではのエピソードや思いを盛り込むようにしていました。
例えば、読者モデルのオーディションでは「この雑誌で見た服装に憧れて、北海道の田舎町から上京を決意しました」という実体験を書いたことで、面接でその話題について質問され、審査員との会話が弾んだことがあります。
また、応募写真については、プロのカメラマンに撮ってもらうことが理想ですが、そうでなくても清潔感のある見た目と、自然な表情が大切です。私は最初のオーディションでは友人に撮ってもらった写真を使いましたが、自然な笑顔を心がけました。
面接で意識したこと
面接は書類審査を通過した後の大きな関門です。実際に会って話すことで、写真からは伝わらない人柄や雰囲気が評価されます。
面接で最も意識したのは「自然体」であることです。モデルや女優を目指す方には、演技力や表現力が求められることもありますが、オーディションの場で作り笑顔や無理な姿勢をとるよりも、リラックスした状態で自分を表現することが重要です。
私が初めての大きなオーディションで緊張していた時、先輩モデルから「あなたの良さを見せるために来ているんだから、自信を持って自然体でいなさい」とアドバイスされたことが、今でも心に残っています。
また、質問に対しては、短すぎず長すぎない適切な返答を心がけました。「はい」「いいえ」だけでは印象に残りませんし、かといって長々と話しすぎると審査員を疲れさせてしまいます。
よく聞かれる質問としては：
なぜモデルになりたいのか
自分の強みは何か
これまでの経験について
今後どのようなモデルになりたいか
これらに対して、具体的なエピソードを交えながら、自分の言葉で誠実に答えることが大切です。
「自然体」の重要性について、もう少し掘り下げてお話しします。
モデルオーディションでは、多くの人が緊張して「良く見せよう」と無意識に力が入ってしまいがちです。しかし、そうした姿勢は逆効果になることもあります。なぜなら、カメラの前で自然に振る舞える人、リラックスして自分を表現できる人が、実際の撮影現場でも使いやすいからです。
私自身、フリーランスモデルとして活動を再開した時、「完璧なモデル」を演じるのではなく、「4歳の子どもを育てるママでもある私」としての等身大の姿を見せることで、クライアントからの信頼を得ることができました。
つまり、「モデルらしく」振る舞うことよりも、「あなたらしく」いることが、オーディションでは評価されるのです。
モデルオーディション応募の流れと準備
モデルオーディションに挑戦したいと思ったら、どのように準備を進めればよいのでしょうか？ここでは、私の経験を基に、応募から面接までの流れとポイントをご紹介します。
Step1：オーディション情報の探し方
まず第一歩として、信頼できるオーディション情報を見つけることが重要です。現在はインターネットやSNSで多くの募集情報が見つかりますが、すべてが安心して応募できるものとは限りません。
安心できる募集情報の主な探し方は以下の通りです：
公式モデル事務所のウェブサイト: 大手から中小まで、多くのモデル事務所が定期的にオーディション情報を掲載しています。公式サイトからの情報は信頼性が高いです。
雑誌の募集ページ: ファッション雑誌やウェブマガジンには読者モデル募集のお知らせが掲載されていることがあります。
オーディション情報サイト: 「オーディションサイト」「オーディション情報」などで検索すると、様々な募集情報が掲載されたサイトが見つかります。ただし、運営元をしっかり確認することが大切です。
SNS公式アカウント: 多くのブランドや事務所が、InstagramやTwitterなどのSNSで募集情報を発信しています。
私が最初に応募したのは、好きな雑誌の巻末にあった読者モデル募集のお知らせでした。その後は、事務所の公式サイトや、オーディション情報を掲載するウェブサイトを定期的にチェックするようになりました。
安心できる募集情報を見極めるポイントとしては、以下の点に注意しましょう：
明確な主催者情報: 会社名、住所、連絡先が明記されているか
具体的な募集要項: 応募条件、選考方法、スケジュールなどが明確に記載されているか
費用の有無: 参加費や登録料などの記載がある場合は注意が必要
公式サイトやSNSの存在: 主催者の公式サイトやSNSアカウントがあり、活動実績が確認できるか
不安な場合は、事前に電話やメールで問い合わせてみることも大切です。実際に私も、初めて大きな事務所のオーディションに応募する前に、電話で詳細を確認しました。丁寧な対応をしてくれる事務所は、基本的に信頼できると思います。
Step2：応募書類・写真の準備
オーディション情報を見つけたら、次は応募書類と写真の準備です。この段階が書類審査と呼ばれるもので、多くの応募者の中から面接に進む人を選ぶ重要なステップになります。
応募書類の準備
一般的に求められる応募書類は、履歴書（エントリーシート）と写真です。履歴書については、以下のポイントを押さえると良いでしょう：
基本情報は正確に: 氏名、生年月日、連絡先などは間違いなく記入する
経歴・実績は具体的に: モデル経験がなくても、人前に立った経験（発表会など）があれば記載する
志望動機は熱意を込めて: なぜこのオーディションに応募したのか、自分の言葉で誠実に書く
特技・趣味は差別化ポイントに: 他の応募者と差をつけるアピールポイントになる
私が書類審査を突破できたのは、志望動機に自分の素直な思いを書いたことが大きかったと思います。「この雑誌を見て自分も挑戦したいと思った」という単純な動機でも、具体的なエピソードを交えることで印象に残りやすくなります。
応募写真の準備
写真は審査員があなたの第一印象を判断する重要な要素です。多くのオーディションでは、バストアップ（顔がはっきり分かるもの）と全身写真の2種類が求められます。
写真撮影のポイントは以下の通りです：
バストアップ写真: 表情がはっきり見えるように、自然な笑顔を心がける。メイクは薄めで、髪型は顔が隠れないようにする。
全身写真: スタイルが分かりやすいシンプルな服装で、姿勢を良くして撮影する。背景も清潔感のあるものを選ぶ。
カメラマン依頼もアリ: 予算が許せば、プロのカメラマンに依頼するのも一つの方法。特に本格的なモデル事務所のオーディションを受ける場合は検討してみましょう。
ただし、スマホで撮影する場合でも、以下の点に注意すれば十分アピールできます：
明るい場所で撮影: 自然光が入る場所が理想的
背景はシンプルに: 雑然とした背景は避け、単色の壁などを背景にする
複数のパターンを撮影: 表情や角度を変えて多めに撮り、最も良いものを選ぶ
私が初めてのオーディションで用意した写真は、友人に撮ってもらったものでした。プロのカメラマンに依頼する余裕がなかったので、公園の日当たりの良い場所で、シンプルな服装で撮影してもらいました。大切なのは「自分らしさ」が伝わる写真であることです。
Step3：面接・実技審査に向けた心構え
書類審査を通過すると、次は面接や実技審査に進みます。この段階では直接会って話したり、カメラの前でポーズをとったりすることで、あなたの人柄や表現力が見られます。
当日の服装・メイク・自己紹介のコツ
面接当日の服装やメイク、自己紹介は、とても大切なポイントです。
服装については、以下を参考にしてください：
基本はシンプルで清潔感のあるもの（白いトップスとデニムなど）
スタイルが分かりやすいシルエットを意識する
派手すぎる柄物や装飾は避ける
ただし、読者モデルのオーディションなど、そのブランドやメディアの世界観に合わせた服装が好まれるケースもある
私がオーディションを受けた際は、基本的には白のシンプルなトップスに、黒のスキニーパンツという組み合わせで臨むことが多かったです。これはスタイルが分かりやすく、かつ主張しすぎない組み合わせだからです。
メイクも自然なものが基本ですが、完全すっぴんよりは、肌の色ムラを整える程度の軽いメイクをしておくと良いでしょう。特に読者モデルなどは「等身大の女性」が求められるケースが多いので、厚塗りは避けることをおすすめします。
自己紹介については、以下のポイントを押さえましょう：
名前、年齢、出身地など基本情報を簡潔に
志望動機を自分の言葉で
自分の強みや特徴を一つ加える
明るく元気な声で話す
例えば私の場合は「佐藤香織、32歳、北海道出身です。大学時代から雑誌の世界に憧れていて、今回4歳の子どもを育てながらも再びモデル活動にチャレンジしたいと思いました。趣味のランニングで鍛えた健康的な体が強みです。よろしくお願いします」といった感じでシンプルに伝えていました。
よく聞かれる質問と私の実例回答
面接では様々な質問が飛んできますが、よく聞かれる質問とその回答例をご紹介します：
Q: なぜモデルになりたいのですか？ A: 「私は学生時代から雑誌を見て憧れていました。特に、同じ北海道出身のモデルさんが活躍されている姿を見て、私も地方出身者としてチャレンジしたいと思いました。また、一度子育てで中断しましたが、同じようにママになった女性たちに『夢を諦めなくていい』というメッセージを伝えたいという思いもあります。」
Q: 自分の強みは何だと思いますか？ A: 「私の強みは、等身大の親しみやすさと、何事にも前向きに取り組む姿勢だと思います。モデルとしては標準的な身長ですが、日々のトレーニングで引き締まった体を維持しています。また、ライターとしての経験から、撮影のコンセプトを理解し表現する力もあると思います。」
Q: これからどんなモデルになりたいですか？ A: 「同年代の女性、特に子育て中のママたちに共感してもらえるようなモデルになりたいです。『あの人みたいにありたい』と思われるだけでなく、『あの人みたいに私もチャレンジできる』と思ってもらえるような存在になりたいと思っています。」
質問への回答は、あらかじめ準備しておくことも大切ですが、暗記したように答えるのではなく、自分の言葉で誠実に答えることを心がけましょう。
注意！悪質オーディションの見分け方
モデルや芸能界を目指す方々の夢を悪用した、悪質なオーディションやスカウトが存在することも事実です。夢を追いかけるあまり、トラブルに巻き込まれないよう、注意点をお伝えします。
こんなオーディションには注意！
以下のような特徴がある募集には、特に注意が必要です：
高額な登録料や講習料を要求する: プロのモデル事務所では、オーディション参加費や合格後の登録料を請求するケースはありますが、数万円以上の高額な費用を要求する場合は注意が必要です。
詳細な条件が不明確: 仕事内容、報酬、契約内容などが具体的に示されていない場合は疑問を持ちましょう。
すぐに契約を迫る: その場で契約書にサインを求めるなど、考える時間を与えないケースは要注意です。
連絡先が不明確: 固定電話がなく、携帯電話のみ、または住所が曖昧な場合は注意しましょう。
WEBサイトや実績が確認できない: 公式サイトがなかったり、過去の実績が確認できない場合は慎重になるべきです。
実体験：危ないと感じたオーディション例
私自身も、怪しいと感じた経験があります。上京して間もない頃、街中で「モデルやタレントをやってみませんか」とスカウトされたことがありました。事務所に行くと「今すぐ契約すれば特別レッスン料を割引する」と言われ、その場で高額なレッスン料を支払うよう求められました。
また、友人は「必ず雑誌に載せる」と約束されたものの、撮影後に「追加料金を払えば掲載する」と言われたケースもありました。結局その雑誌自体が存在せず、ただの写真撮影だけで終わってしまったそうです。
このような事例から学んだことは、「急かされたら一度冷静になる」「必ず誰かに相談する」ということの重要性です。特に若い女性は、夢を語って近づいてくる人に注意が必要です。
安心して挑戦できる場を選ぶために
安全にモデルの夢を追いかけるために、以下のポイントを心がけましょう：
必ず調査する: 応募前に事務所名やオーディション名でネット検索し、口コミや評判をチェックする
公式情報を確認する: 雑誌の公式サイトや、大手芸能事務所の公式募集かどうか確認する
友人や家族に相談する: 一人で判断せず、必ず誰かに相談してから応募や契約を決める
契約書はしっかり読む: 契約内容や違約金の条件などをしっかり確認し、不明点は質問する
高額な前払い金には注意: 合格後に高額な費用を要求される場合は、慎重に検討する
私が芸能事務所に所属できたのは、事前に先輩モデルに相談し、信頼できる事務所かどうか確認したからこそ。何か不安を感じたら、必ず信頼できる人に相談することをお勧めします。
モデルデビュー後のリアル
オーディションに合格し、モデルとしてデビューした後の現実はどのようなものなのでしょうか？華やかなイメージとは異なる部分も含めて、私の経験からお話しします。
実際の仕事と求められるスキル
モデルの仕事と聞くと、多くの方はランウェイを歩いたり、雑誌の表紙を飾ったりするイメージを持つかもしれません。実際には、モデルの仕事は多岐にわたります。
私がこれまで経験してきた仕事としては：
雑誌やカタログの撮影モデル
エステサロンのビフォーアフターモデル
アパレルブランドのECサイト用モデル
イベントやショーのモデル
SNS用のPR投稿モデル
などがあります。それぞれの現場によって求められるものは異なりますが、共通して求められるスキルもあります。
撮影現場のリアル
撮影現場は想像以上にハードです。一つの写真を撮るために何時間も同じポーズを保ったり、真夏に冬服、真冬に夏服を着て撮影することもあります。
私がエステモデルをした際は、同じ表情で何十枚も撮影することがありました。「もう少し右を向いて」「あごを引いて」など細かい指示に従いながら、自然な表情を保つのは想像以上に大変です。
アパレルモデルの場合は、一日に何十着も着替えることもあり、体力勝負の面もあります。また「自分では似合わないと思う服でも、求められた通りに着こなす」という柔軟性も必要です。
柔軟性と自己管理能力がカギ
モデルとして長く活躍するためには、以下のようなスキルが重要だと感じています：
柔軟性: 様々な要望や突然の変更にも対応できる柔軟さ
体調管理能力: 撮影日には万全の状態でいられるよう、日頃から体調を整える
コミュニケーション力: カメラマンやスタッフとの円滑なコミュニケーション
時間管理能力: 遅刻は厳禁。むしろ15分前行動を心がける
自己表現力: 言われたことだけでなく、自分なりの解釈や表現ができること
特に私が感じるのは、「言われたことをただこなす」モデルよりも、「自分から提案できる」モデルの方が重宝されるということ。例えば「こういう角度の方が商品が映えますよ」とか「こんなポーズはどうでしょう」といった提案ができると、次の仕事にも声をかけてもらいやすくなります。
ママモデルとして感じたこと
4歳の娘を育てながらモデル活動を再開した私だからこそ伝えられる、「ママモデル」としての経験もお話しします。
子育てとモデル活動の両立は、正直なところ簡単ではありません。撮影は平日が多く、保育園のお迎え時間との調整が必要です。また、子どもの急な発熱などで予定をキャンセルせざるを得ないこともあります。
しかし、そんな制約がある中でも工夫次第で両立は可能です。私の場合は以下のようにして両立しています：
撮影時間の交渉: 可能な限り、保育園のお迎え時間に間に合う撮影スケジュールをお願いする
緊急時のサポート体制: 夫や親族など、急な時に子どもを見てもらえる体制を整えておく
効率的な準備: 前日までに衣装や持ち物を準備し、当日の忙しさを軽減する
子どもとの時間も大切に: 仕事がない日は全力で子どもと向き合う時間を作る
子育て中だからこそ得られるメリットもあります。「等身大のママ」としての需要が増えているため、子育て関連の商品や30代向けのブランドから声がかかることも。また、時間的制約があるからこそ、限られた時間で最大のパフォーマンスを発揮する力も身につきました。
何より、子どもに「ママはモデルとして頑張っている」と背中を見せられることが、私にとっては大きなモチベーションになっています。「子どもが生まれたら夢を諦めなければならない」という固定観念を、自分自身の姿で壊していきたいと思っています。
まとめ：一歩踏み出す勇気が未来を変える
ここまで、モデルオーディションの基本知識から、合格するためのポイント、オーディションの準備方法、そしてモデルとしての現実までをお伝えしてきました。最後に、これからモデルを目指す皆さんへのメッセージをお伝えします。
モデルという夢を追いかけるには、一歩踏み出す「勇気」が必要です。私自身、北海道の小さな町から上京し、全く知らない世界に飛び込むのは本当に怖かったことを覚えています。「自分なんかが」という思いに何度も押しつぶされそうになりました。
でも、その一歩を踏み出したからこそ、今の私があります。たとえ最初は小さな一歩でも、その一歩があなたの未来を大きく変えるチャンスになるのです。
「いつか」ではなく「今」挑戦することの大切さ。「完璧」を目指すのではなく「今の自分」でチャレンジすること。そして何より、失敗を恐れないこと。これらが私がモデル業界で学んだ大切なことです。
あなたの中にある「モデルになりたい」という思いは、決して小さなものではありません。その思いを大切に、一歩ずつ前に進んでいってください。
年齢や経験、体型や出身地に関係なく、あなたにしかない魅力や個性があります。それを信じて、自分らしさを大切にしながら挑戦を続けてほしいと思います。
この記事が、あなたの「モデルになりたい」という夢への第一歩を後押しするものになれば嬉しいです。いつか撮影現場であなたとお会いできる日を楽しみにしています。
あなたも、未来のモデルになるために、今日から一歩踏み出してみませんか？
