ファッション撮影や広告撮影など、モデルの仕事には「現場独特の言葉」が本当にたくさんあります。「香盤表」「バミる」「コンポジ」といった専門用語は、最初は意味がわからず戸惑うことばかり。私自身も初めての撮影現場では「そのままストロボで撮りますね!」と指示されて、頭の中が”?”でいっぱいになった経験があります。
あの時は、周りのスタッフさんに「ストロボって何ですか…?」と聞くのも恥ずかしくて、結局わからないまま撮影が進んでしまいました。今思えば、素直に聞けば良かったのですが、新人モデルの頃は「こんなことも知らないの?」と思われるのが怖かったんですよね。
撮影現場での業界用語は、単なる知識ではなく、プロフェッショナルとして働く上での”共通言語”です。この記事では、モデルとして現場に立つときに知っておくと安心な「撮影モデル業界の専門用語」を、私の体験談を交えながらわかりやすく紹介していきます。これから撮影の仕事を始める方、副業でモデル活動をしたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。
モデル撮影の現場でよく使われる基本用語

撮影現場の基礎用語
まず押さえておきたいのが、撮影現場そのものに関する用語です。「撮影現場」とは、写真や動画を撮影する空間全体を指します。スタジオはもちろん、ロケーション撮影の場合は屋外の撮影場所も含まれます。
その撮影現場でまず耳にするのが「バミる」という言葉。これは、モデルの立ち位置にテープを貼ることを指します。カメラの位置や照明の関係で、モデルが立つべき位置は厳密に決まっていることが多いんです。床に貼られた小さなテープを見つけたら、そこがあなたの立ち位置。このバミリ位置を守ることで、フォトグラファーが意図した構図で撮影できるんですね。
「香盤表」は、撮影スケジュール表のことを指し、撮影順や担当が細かく記載されています。私は現場に入ったら必ず香盤表をチェックして、自分の出番がいつなのか、どんな衣装で何を撮影するのかを確認するようにしています。これを見ておくだけで、現場での動きがぐっとスムーズになりますよ。
動画や映像の現場では「絵コンテ」という言葉を聞くことがあるかもしれません。英語ではStoryboardといい、どんな構図やアングル、動きで撮るかを絵で示した設計図のことです。
「テストショット」は本番前の試し撮りのこと。照明や構図、モデルの表情などを確認するために行われます。このテストショットの段階でフォトグラファーからのフィードバックを受けて、本番で最高の写真を撮影するための準備をするんです。
「レフ板」は光を反射させる板で、モデルの顔を明るく見せるために使われます。特に屋外撮影では、太陽の光を反射させて顔に当てることで、影を消したり表情を明るく見せたりする効果があります。アシスタントさんが持っていることが多いのですが、風が強い日は本当に大変そう。飛ばされないように必死に支えている姿を見ると、いつも感謝の気持ちでいっぱいになります。
現場では略語もたくさん飛び交います。「スタイリ」はスタイリスト、「ヘアメ」はヘアメイク、「アシ」はアシスタントといった具合です。最初は混乱するかもしれませんが、何度か現場に入れば自然と耳に馴染んできます。
撮影中の指示に関する用語
撮影が始まると、フォトグラファーやディレクターからさまざまな指示が飛んできます。その際に使われる専門用語を理解しておくことは、モデルとして非常に重要です。
「ヌケ」とは、被写体であるモデルの周りに余白をもたせた構図のことを指します。「もうちょっとヌケが欲しいな」と言われたら、構図の中でモデルが占める割合を少し小さくして、周囲の空間を広く撮影したいという意味です。私はこの「ヌケ」という言葉を最初に聞いたとき、「何が抜けるの?」と本気で思いました。撮影用語って、言葉だけ聞くと本当にわかりにくいんですよね。
「アウトフォーカス」は、背景をぼかして被写体を際立たせる撮影手法のことを言います。カメラのレンズの特性を活かして、モデルにピントを合わせつつ背景をぼかすことで、より被写体が引き立つ写真になるんです。よく雑誌の表紙などで見かける、背景がふわっとぼけている写真がこのアウトフォーカスの技術です。
「スチール」という言葉もよく使われます。これは静止画撮影のことを指し、動画撮影と区別するために使われる用語です。「今日はスチールの撮影です」と言われたら、写真撮影だということですね。逆に「動画撮影」のことは、そのまま「動画」と呼ばれることが多いです。
「アングル」はカメラの角度や構図のこと。「ローアングルで」と言われたら低い位置から撮影する、「ハイアングルで」と言われたら高い位置から撮影するということです。同じポーズでもアングルが変わるだけで、写真の印象は大きく変わります。モデルとしては、どのアングルから撮影されても美しく見えるように、姿勢や表情を調整する必要があるんです。
撮影監督やフォトグラファーの指示を理解するコツは、わからないことがあったら素直に聞くこと。これに尽きます。私も今では、わからない用語があればその場で確認するようにしています。プロの現場だからこそ、曖昧なまま撮影を進めるよりも、しっかり理解して最高のパフォーマンスをする方が、結果的にクライアントや企業にとっても良い仕事になるんですよね。
モデルに関する業界用語

モデルの種類と呼称
モデル業界では、モデル自身に関する専門用語もたくさんあります。まず覚えておきたいのが「コンポジ」です。これはコンポジットカードの略で、モデルのプロフィール写真や実績をまとめた資料のことを言います。オーディションやキャスティングで使用される、モデルにとっての”名刺”のような存在です。
私が初めてコンポジを作ったとき、どんな写真を選べばいいのか本当に悩みました。顔のアップ、全身、横顔など、さまざまな角度からの写真を撮影し、身長や体重、サイズなどの情報と一緒にまとめます。今はデジタルデータとして持ち歩くことが多いですが、紙のコンポジを用意しておくと、現場で「コンポジ見せてもらえますか?」と言われたときにスマホで見せることができて便利です。
「ブック」は、過去に撮影した写真をまとめたポートフォリオのこと。コンポジが現在の自分を表現するものだとすれば、ブックは自分の実績や表現の幅を見せるためのものです。どんな雰囲気の撮影をしてきたか、どんな表情ができるか、どんなブランドの仕事をしてきたかなど、ブックを見れば一目瞭然。モデルとしてのキャリアが積み重なっていくと、このブックもどんどん充実していきます。
モデルにもさまざまな種類があります。「サロンモデル」は美容室やエステサロンなどの商品やサービスを撮影するモデル、「読者モデル」は雑誌の読者として登場し親近感のある存在として活動するモデル、「ショーモデル」はファッションショーでランウェイを歩くモデルといった具合です。私は最近、エステサロンの撮影モデルの仕事が多いので、サロンモデルとしての活動がメインになっています。
「ランウェイ」とは、ファッションショーでモデルが歩く通路のことを指します。華やかなステージの上を堂々と歩くモデルの姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。ランウェイを歩くためには、独特のウォーキング技術が必要で、私も学生時代に何度も練習したものです。あの長い一本道を、たくさんの人の視線を浴びながら歩くのは、本当に緊張しますが、同時に大きな達成感も味わえる仕事です。
契約・仕事まわりの用語
モデルとして活動する上で、契約や報酬に関する用語も知っておく必要があります。「ギャラ」は報酬のことを指し、広告業界で広く使われる言葉です。撮影の規模や使用範囲によってギャラは大きく変わるので、事前にしっかり確認することが大切です。
「リテイク」は再撮影のこと。撮影した写真や動画に修正が必要な場合や、クライアントの意向に沿わなかった場合に行われます。リテイクになると、もう一度同じ撮影を行う必要があるため、モデルもスタッフも再度スケジュールを調整しなければなりません。できれば避けたい事態ですが、時には避けられないこともあります。
「キャスティング」は出演者の選定のことを言います。クライアントや広告代理店が、商品のブランドイメージに合ったモデルを選ぶプロセスです。オーディション形式で行われることもあれば、事務所を通じて直接オファーが来ることもあります。私も副業でモデルをしているので、自分のイメージと合う仕事をいただけたときは本当に嬉しいですね。
「クライアント」は依頼主、つまり企業や広告代理店のことを指します。撮影の最終的な決定権を持っているのはクライアントなので、クライアントの意向を理解して撮影に臨むことが重要です。
その他にも「フィー」という言葉があり、これもギャラと同じく報酬を意味します。また「買い取り契約」という言葉も覚えておきたいところ。これは、撮影した写真や動画の使用権をクライアントが買い取る契約のことを指し、使用期間や使用範囲が限定されない場合が多いです。逆に、使用期間や範囲が限定される契約もあるので、契約内容はしっかり確認しましょう。
モデルとして仕事をする際、契約関係の用語を理解しておくことは、自分の権利を守るためにも非常に重要です。わからないことがあれば、事務所のマネージャーや先輩モデルに相談するのも一つの手ですよ。
撮影スタジオ・チーム構成の用語

チームに関する呼称
撮影現場には、実にさまざまな職種の人が関わっています。それぞれの役割と呼称を理解しておくと、現場でのコミュニケーションがずっとスムーズになります。
まず聞くのが「フォトグラファー」という言葉。写真を撮影する人のことで、要するにカメラマンのことです。スナップ写真の撮影などライトな現場ではカメラマンと呼ぶことが多いですが、よりクリエイティブ色の強い現場では、フォトグラファーと呼ばれることがあります。
カメラのレンズを通して、モデルの魅力を最大限に引き出してくれる、まさに撮影の中心的存在です。フォトグラファーの指示をしっかり理解し、意図を汲み取ることが、良い写真を撮影するための鍵になります。
「ヘアメイク」は、モデルの髪型とメイクを担当する人。撮影のコンセプトに合わせて、モデルを美しく仕上げてくれます。ヘアメイクさんとのコミュニケーションも大切で、「こういう雰囲気にしたい」という希望があれば、事前に伝えておくと良いでしょう。
「スタイリスト」は衣装を選び、コーディネートする人のことを言います。撮影で着る服やアクセサリーは、スタイリストさんが用意してくれることがほとんど。時には何着もの衣装を試着して、最適なものを選ぶこともあります。
「アシスタント」は、フォトグラファーやヘアメイク、スタイリストなどをサポートする人たち。レフ板を持ったり、機材を運んだり、撮影現場のあらゆる場面で活躍しています。アシスタントさんがいなければ、撮影は成り立たないと言っても過言ではありません。
「ディレクター」や「アートディレクター」が指揮を取るケースもあります。ディレクターは撮影全体の進行を管理し、クライアントの意向を現場に伝える役割を担います。アートディレクターは、撮影のビジュアル面での方向性を決める重要な存在です。広告撮影の現場では、このディレクターの指示に従って撮影が進められることが多いですね。
私がモデルを始めたばかりの頃は、誰が誰だかわからず、誰に何を聞けばいいのか戸惑うことがありました。でも、現場で何度も顔を合わせるうちに、自然と役割が理解できるようになります。わからないことがあれば、「これは誰に聞けばいいですか?」と素直に尋ねることも大切です。
撮影セット・環境用語
撮影現場で使われる機材や環境に関する用語も、知っておくと役立ちます。
「背景紙」は、スタジオ撮影で背景として使われる大きな紙のこと。白、黒、グレーなど、さまざまな色があり、撮影のコンセプトに合わせて選ばれます。モデルの後ろに広がるあの大きな紙が背景紙です。
「トレペ」はトレーシングペーパーの略で、光を拡散させるために使われる半透明の紙や布のことを指します。ストロボなどの強い光を柔らかくして、被写体に当てるために使用されます。
「ストロボ」は、瞬間的に強い光を発する照明機材のこと。私が最初にわからなかったのがこの「ストロボ」でした。カメラに内蔵されているフラッシュとは違い、スタジオで使う大型の照明機材を指します。「ストロボ焚いて」と言われたら、このストロボを使って撮影するという意味です。
「定常光」は、ストロボとは対照的に、常に点灯している照明のこと。動画撮影では定常光が使われることが多いです。写真撮影と動画撮影では、光の使い方が大きく異なるんですね。
「光を回す」という表現は、光を被写体全体に均等に当てることを意味します。逆に「光を切る」は、意図的に光を遮って陰影をつけることを指します。フォトグラファーは光をコントロールすることで、写真に立体感や雰囲気を表現しているんです。
私は最初、こうした撮影機材の用語を聞いても、実際に何をしているのかイメージできませんでした。でも、現場で実物を見て、どんな効果があるのかを体感すると、「なるほど、こういうことか!」と腑に落ちるんです。用語を覚えることも大切ですが、実際の撮影現場で経験を積むことが、何よりの学びになると感じています。
現場でよく聞く”略語・隠語”集

撮影現場では、時間を効率的に使うために、略語や業界独特の言い回しがたくさん使われます。これらを知っておくと、現場での指示をすぐに理解できるようになります。
「NG」は、撮影がうまくいかなかったカットのことを指します。モデルの表情が硬かったり、目線が合わなかったり、何らかの理由で使えない写真がNGです。逆に「OKテイク」は、問題なく撮影できた良いカットのこと。フォトグラファーから「OK!」と言われると、ホッとしますね。
「オフショット」は、撮影の合間や準備中に撮影した写真のことを言います。最近はSNSでオフショットを公開することも多いですが、注意が必要です。撮影した写真をSNSに出す前には、必ずクライアントや事務所に確認を取りましょう。まだ公開前の商品や企画の情報が漏れてしまうと、大きな問題になることがあります。私も、オフショットを投稿する際は必ず確認してからアップするようにしています。
「ワンカット」は、一つのシーンや構図で撮影することを指します。「このシーンはワンカットで終わらせたい」という場合、一度の撮影で完璧に仕上げる必要があるということです。
「ツーショット」は、二人が一緒に写っている写真のこと。モデル同士のツーショットや、モデルと商品のツーショットなど、さまざまなパターンがあります。
「アイキャッチ」は、人の目を引く要素のことを指し、広告業界でもよく使われる用語です。記事の冒頭に配置される画像や、広告の中で最も目立つ部分がアイキャッチです。モデルとしては、そのアイキャッチとなる部分で最高の表情を見せることが求められます。
私が現場で「理解できず焦った」体験といえば、やはり「ストロボ焚いて撮りますね」と言われたときのことです。当時は「ストロボって何?」「焚くって何を焚くの?」と頭の中が混乱していました。周りのスタッフさんはみんな当たり前のように動いているし、今さら聞けない雰囲気…。結局、見よう見まねで対応しましたが、後で先輩モデルに聞いて「あれはフラッシュのことだったんだ!」と理解しました。こうした経験があるからこそ、今は初心者の方に「わからないことは遠慮なく聞いてね」と伝えるようにしています。
略語や隠語は、現場で何度も耳にするうちに自然と覚えていくものです。最初は戸惑うかもしれませんが、一つひとつ確認しながら覚えていけば大丈夫。そして、わからない用語があったときは、恥ずかしがらずに質問する勇気を持つことが、モデルとして成長するための第一歩だと私は思います。
初心者モデルが覚えておくと役立つ現場マナー

撮影現場での業界用語を理解することも大切ですが、同時にプロとしての現場マナーを身につけることも、モデルとして信頼されるために欠かせません。用語を知っていても、マナーが守れていなければ、次の仕事につながらないこともあるんです。
まず基本中の基本は「呼ばれたらすぐに立つ」こと。撮影現場は分刻みでスケジュールが組まれていることが多く、モデルの準備が遅れると全体の進行に影響してしまいます。「次、佐藤さんお願いします」と呼ばれたら、すぐに立ち上がって準備に入る。この素早い対応が、プロのモデルとしての第一歩です。
「香盤表の確認」も忘れてはいけません。現場に入ったら、まず香盤表をチェックして、自分の出番や衣装替えのタイミング、休憩時間などを把握しておきましょう。私は必ずスマホで香盤表の写真を撮って、いつでも確認できるようにしています。自分の段取りを理解しておくことで、スタッフさんに何度も確認する手間が省けますし、現場での動きもスムーズになります。
「メイク中の会話のマナー」も意外と重要です。ヘアメイクさんが作業している間は、できるだけ顔を動かさないように気をつけましょう。つい楽しくておしゃべりしてしまいがちですが、顔を動かすとメイクがしにくくなってしまいます。会話をする場合は、相手の作業の邪魔にならないよう配慮することが大切です。
プロの撮影現場では「時間厳守」が何よりも大切です。遅刻は絶対に避けるべきですし、万が一遅れそうな場合は、できるだけ早く連絡を入れる必要があります。撮影現場には多くのスタッフが関わっていて、一人の遅刻が全体のスケジュールを狂わせてしまうこともあるんです。私は撮影の前日には必ず場所と時間を再確認し、当日は余裕を持って現場に到着するようにしています。
用語を覚えることは、現場で信頼される第一歩です。フォトグラファーが「もう少しヌケが欲しい」と言ったときに、すぐに意図を理解して動けるモデルと、「ヌケって何ですか?」と聞き返すモデルでは、撮影のテンポが全く違います。もちろん、わからないことを聞くこと自体は悪いことではありませんが、基本的な用語を理解しているだけで、現場での評価は大きく変わります。
現場での言葉遣いや態度も、撮影全体の空気を左右する重要な要素です。スタッフさんへの感謝の気持ちを忘れず、「ありがとうございます」「よろしくお願いします」といった基本的な挨拶をしっかり伝えること。撮影が終わったら、フォトグラファーやスタッフさん全員に「お疲れさまでした」と声をかけること。こうした小さな気配りが、次の仕事につながることもあるんです。
私が副業でモデルを始めてから特に感じるのは、現場の雰囲気の大切さです。ライターの仕事では一人で黙々と作業することが多いのですが、撮影現場はチームワークが命。みんなで一つの作品を作り上げるという意識を持って、謙虚に、そして前向きに仕事に取り組む姿勢が、モデルには求められるのだと実感しています。
撮影モデルとして成長するためのヒント

撮影現場での経験は、モデルとしてのスキルアップに直結します。一つひとつの撮影が、あなたの成長の糧になるんです。
業界用語を理解することで、ディレクションの意図がより深く理解できるようになります。「アウトフォーカスで撮りたい」と言われたとき、それが「背景をぼかして自分を際立たせる撮影」だとわかれば、より被写体として存在感のある表情やポーズを意識できますよね。フォトグラファーが「光を回して柔らかい雰囲気にしたい」と言ったときも、その意図を理解していれば、柔らかく優しい表情を作ることができます。
「言葉を知る」ことが「自分の仕事を理解する」ことにつながるんです。私は学生時代からモデルをしていましたが、当時は正直、用語の意味を深く理解せずに何となく現場をこなしていました。でも今、副業として改めてモデルの仕事に向き合う中で、一つひとつの用語の意味を理解することで、撮影がこんなにも深く、面白いものだと気づいたんです。
表現力を上げるためには、用語の理解だけでなく、実際に多くの撮影現場を経験することが大切です。さまざまなフォトグラファー、さまざまなコンセプトの撮影に参加することで、自分の引き出しが増えていきます。ファッション撮影、商品撮影、広告撮影、それぞれに求められる表情やポーズは異なります。たとえば、エステサロンの撮影では「リラックスした穏やかな表情」が求められることが多いですが、アパレルの撮影では「商品の魅力を引き立てるポーズ」や「ブランドイメージに合った雰囲気」が重要になります。
モデル業界でのキャリア形成の第一歩として、用語理解は本当に重要です。特にこれから副業でモデルを始めたいと考えている方にとっては、基礎知識として業界用語を押さえておくことで、現場でのスタートがずっとスムーズになります。
私自身、ライターとしての仕事と並行してモデルの仕事をしているからこそ感じるのは、「言葉の力」の大きさです。ライターとして言葉を扱う仕事をしている私にとって、撮影現場での専門用語を理解することは、新しい世界の扉を開くような感覚でした。同じ「撮影」という仕事でも、使われる言葉を理解することで、見える景色が全く変わってくるんです。
また、モデルとして活動する中で出会う人々から学ぶことも多いです。ベテランのフォトグラファーの方々は、長年の経験から独自の撮影手法や用語の使い方を持っています。そうした方々との仕事を通じて、教科書には載っていないような現場ならではの知識を吸収できることも、モデルという仕事の醍醐味だと思います。
撮影を重ねるごとに、自分の中に「引き出し」が増えていく感覚があります。「このアングルではこういう表情が良い」「この光の当たり方なら、こういうポーズが映える」といった感覚が、経験とともに身についてくるんです。そして、その感覚を支えているのが、撮影現場で使われる業界用語の理解なんですね。
モデルとしての成長は、一朝一夕には叶いません。でも、一つひとつの現場で学び、用語を覚え、経験を積み重ねていくことで、確実にスキルアップしていきます。私も今、副業としてモデル活動を再開して、改めてこの仕事の奥深さを実感しているところです。4歳の娘に「ママ、今日は撮影のお仕事だったの?」と聞かれると、誇らしい気持ちになります。子育てをしながらでも、自分のやりたい仕事に挑戦できる。そんな姿を娘に見せられることも、私にとっては大きな喜びです。
まとめ
撮影現場で使われる業界用語を理解しておくことは、モデルとしての信頼につながります。「バミる」「香盤表」「ヌケ」「コンポジ」といった言葉の意味を知っているだけで、現場でのコミュニケーションがぐっとスムーズになり、撮影もスムーズに進むんです。
用語を知ることは、単なる知識の習得ではありません。それは、撮影現場という特殊な空間で働く人たちの”共通言語”を身につけることなんです。フォトグラファー、ディレクター、スタイリスト、ヘアメイク、そしてクライアント。撮影に関わる全ての人と、同じ言葉で意思疎通ができることは、プロのモデルとしての大きな武器になります。
私自身、初めての撮影現場で戸惑った経験があるからこそ、この記事を読んでくださっている皆さんには、同じような不安を感じてほしくないと思っています。「ストロボって何?」「ヌケって何が抜けるの?」そんな素朴な疑問を、一つひとつ解消していくことで、撮影現場がもっと楽しく、もっとやりがいのある場所になるはずです。
もちろん、この記事で紹介した用語が全てではありません。撮影の種類や現場によって、また新しい言葉に出会うこともあるでしょう。でも大切なのは、わからないことに出会ったときに、恥ずかしがらずに質問すること。そして、一つひとつの経験を自分の糧にしていく姿勢です。
「撮影モデル業界用語」は、あなたがモデルとして活動する上での心強い味方です。最初はわからないことだらけで当然。私も今でも、新しい現場に行くたびに学ぶことがあります。でも、自分の経験を通して覚えた言葉は、きっと次の現場であなたを助けてくれます。
これから撮影の仕事を始める方、副業としてモデル活動に挑戦したい方、そして既にモデルとして活動しているけれど用語に不安がある方。この記事が、皆さんの背中を少しでも押すことができたら嬉しいです。
撮影現場は、たくさんの人の情熱と技術が集まる、本当に刺激的な場所です。業界用語を理解し、プロとしてのマナーを身につけ、そして何より撮影を楽しむ気持ちを忘れずに。そうすれば、あなたのモデルとしてのキャリアは、きっと素晴らしいものになるはずです。
私もライターとモデル、二つの仕事を通じて、これからも成長し続けていきたいと思っています。撮影現場でお会いできる日を、楽しみにしています。一緒に素敵な作品を作りましょう!

